2009/09/04

新型インフルエンザに感染してしまったら

先月中に全国的に流行期に入ったと発表された新型の豚インフルエンザウイルス(H1N1)は、今月下旬から来月にかけて当面のピークを迎えるとみられています。アメリカとカナダでの致死率は0.5%に上ると推定されていますが、通常の季節性インフルエンザの致死率は0.1%以下とされていますので、新型の致死率は季節性の5倍以上ということになります。

また、新型ウイルス自体の感染力が季節性ウイルスよりも強いということが動物実験で確かめられました。新型と季節性の遺伝子が混じって変異し毒性が強まったり感染力がさらに強まったりしている形跡はなく、実験を行ったアメリカのメリーランド大学では、新型は季節性に比べ生物学的に有利な形質をもっており季節性の遺伝子を取り込んだ変異型は生存競争上むしろ不利になるためではないか、としています。

季節性インフルエンザと同様、新型に対しても手洗い・うがい等の予防は大切ですが、ただでさえ感染力の強い新型ウイルスには、ほとんどの人が免疫を持っていないため感染の予防にも限界があります。では、もしかかってしまったらどうしたらいいのでしょうか?

インフルエンザ初期の一般的な症状としては、喉の痛み、倦怠感、悪寒がしてゾクゾクする、しかし熱はまだそれほどない、足腰がガクガクしたり痛い、といった症状です。その後には、熱が次第に高くなって症状は悪化します。咳や胃腸障害も伴ったりもします。もしかしてかかってしまったかも、という発症初期にはまだウイルスの量が少ないため、検査キットでは陰性を示してしまうことも多いようです(ウイルスのRNAを増幅させるPCRによる診断はより確実ですが、時間がかかってしまうため通常簡易検査が用いられます)。 インフルエンザと診断がつかなければ、タミフルなどの抗ウイルス薬の処方がされないこともあります(*1)。簡易検査キットでは発症後2日目が最も陽性率が高いとされている一方、抗ウイルス薬による治療は発症後48時間以内でないと効果が期待できません。

その点、漢方薬の麻黄湯などは初期の時点からすぐに服用でき、後の症状も軽くすみ人によっては1回の服用で治ってしまうこともあります。この麻黄湯の成分の麻黄や桂皮には、科学的にも抗ウイルス作用が認められています。麻黄(*2)、桂皮(*3)はインフルエンザウイルス増殖を抑制したという報告がなされています。桂皮にはウイルスタンパク質合成を抑制し、インフルエンザ感染マウスの生存率が改善したという結果も出ています。

このような麻黄・桂皮を主成分とする麻黄湯の単独使用でもタミフルに匹敵するほどの効果を出しているとも言われています。それは麻黄湯は抗ウイルス効果を持ちながら症状に対してからだの後始末をしながら対処していくのですが、タミフルはインフルエンザのウイルス増殖抑制だけに限定しているからかもしれません。近くに感染者がいたなどの新型インフルエンザ(季節性インフルエンザを含み)を疑う十分な状況があればなおさら、感染初期からすぐに治療を開始することができるため、有益と思われます(*4)。

当店ではそのような状況に備えて初期からすぐに飲める麻黄湯の抽出液パックを用意しています。煎じる手間もなく携帯にも便利ですぐに飲めます。1日分650円(3パックで3回分)です(服用は発症後2〜3日間です)。質の良い生薬を煎じて高温でパック包装していますので成分は優れており、大腸菌などの混在の心配もありません。常温で2〜3ヶ月、冷所で1年ほど保存可能です。使用にあたっては注意事項等をお伝えし、心配な時はご連絡いただければ詳しく説明いたします。感染初期にすぐに服用できるように準備されることをお薦めします。

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(*1) 2009年9月4日付 朝日新聞朝刊の「声」の欄に青森県弘前市の薬剤師さんが書かれた「インフル検査の精度上げよ」という投稿に、簡易検査で陰性と判定されたお子さんからご家族が新型ウイルスに感染した様子が書かれています。

(*2) H. Mantani et al., "Inhibitory effect of Ephedrae herba, an oriental traditional medicine, on the growth of influenza A/PR/8 virus in MDCK cells," Antiviral Research, volume 44, issue 3, pages 193-200, 1999

(*3) K. Hayashi et al., "Inhibitory effect of cinnamaldehyde, derived from Cinnamomi cortex, on the growth of influenza A/PR/8 virus in vitro and in vivo," Antiviral Research, volume 74, issue 1, pages 1-8, 2007

(*4) 2009年8月5日付 産経新聞の記事「新型インフルエンザ予防 マイタケの効果に注目「エキス」でウイルス増殖を抑制」には麻黄・桂皮そしてマイタケにそれぞれ異なった抗ウイルス作用があることが解説されています。

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